志の輔落語in山形を聞いてきた。
演目は「ディアファミリー」と「八五郎出世」
ディアファミリーも良かったのだが、八五郎出世は本当に素晴らしかった。
長屋住まいの大工で宵越しの銭は持たねえハチ。
彼の目から見える貧しいけれど温かい世界を、覗かせてもらったように思う。
江戸時代に生活したことはないけども、
こういう世界だったら貧しくてもそんなに悪くない。
例えば、老いた母が足を折る。
まとまった金がなくて医者にかかれない。
困っていると長屋の連中が少しづつ出してくれて、医者に見てもらえる。
みんなにお金を返そうと思って質屋に行く。
質屋の親爺は貸せない貸せないと言うけども、結局は大工道具を質草にお金を貸してくれる。
いや、そんな時代が本当にあったのかどうかはわからない。
でも、それだから生きていられるんだよな、と思う。
いくらお城に住まわしてあげよう、って言われたって、
井戸端が無いところでは、人は暮らせない。
井戸はお城にだってあるだろうけど、井戸端は無い。
志の輔が一升は入る大杯の酒を、時間をかけて、それは美味しそうに飲む。
良かったね、ハチ。って思う。
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